二十四節気の食ネタについてお届けします。
2025年11月7日(金)は立冬(りっとう)の日。
期間は11月7日(金)から11月21日(金)まで。
「立冬(りっとう)」は、暦のうえで冬の始まりを告げる節気。
木々の葉が色づきを増し、落ち葉が風に舞う頃。日ごとに空気が澄みわたり、朝晩の冷え込みが少しずつ厳しくなっていきます。陽射しのぬくもりが恋しくなる、そんな季節の入り口です。
【旬のさかな】柳葉魚(ししゃも)
【旬のやさい】春菊(しゅんぎく)
【旬のくだもの】林檎(りんご)
【おすすめ食材】ししゃも
秋から冬にかけて旬を迎えるししゃもは、北海道の太平洋沿岸でしか獲れない日本固有の魚。
その名は、アイヌ語で「柳の葉に似た魚」を意味するshisham(シシャム)に由来するといわれています。その名の通り、細く繊細な姿に、寒さの中でもしなやかに生きる北の自然のたくましさを感じます。
特にこの時期は産卵期にあたり、卵をたっぷり抱えた「メスししゃも」や、脂ののった「オスししゃも」が出回ります。どちらも旬ならではの味わいです。
焼きたてのししゃもは、皮は香ばしく、身はふっくら。噛むほどにやさしい甘みと旨味が広がります。大根おろしを添えてさっぱりと、または南蛮漬けや天ぷらにしても美味しくいただけます。
ししゃもは、カルシウムやビタミンD、EPA・DHAなどをバランスよく含み、骨ごと食べられるのも魅力。寒さでこわばりがちな体に、栄養をしっかり届けてくれる頼もしい魚です。
立冬を迎え、季節はいよいよ冬の入口。
凛とした空気の中、香ばしく焼いたししゃもを肴に、心と体をあたためながら、静かな季節の始まりを味わいたいですね。


